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あるるかんの不定期日記

since 08.5.16 近況とか読書感想とか徒然なるままに

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2025.04.05 (Sat) Category : 

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創作のような創作でないような

2008.08.29 (Fri) Category : 日々徒然

 小学校低学年の頃、僕のクラスには病弱な女の子がいた。
 学校を休みがちで、学校に来ていても体育の授業にでれないほど体が弱かった。
 物静かな彼女の性格が、尚一層の事彼女を儚げな存在にしているようだった。
 
 そんな彼女はピンクが好きだった。
 服は上下共にピンク色で、文房具なんかも全部ピンクだった。
 あのころはまだカラフルなランドセルなんかはなかったから、彼女はナイロン製のピンクのリュックを使っていて、みんながランドセルを使っているなか彼女だけ違う鞄を使っているのがとても印象的に映った。

 ある下校時、僕はピンク色の人影をみつけた。
 それをあの病弱な彼女であることに気付いた僕は気になって彼女のそばへと歩み寄った。
 彼女は道端にしゃがみ込み、何かをじっと見つめていた。

 僕は声をかけた。顔を上げた彼女の顔を見て、具合が悪いわけではなさそうなので少し安堵した。

 彼女はアスファルトの上を指差した。
 そこには傷を負った青虫がいた。轢かれたかどうかしたのか、体液が出て体の一部が潰れており、時たま体をピクピクと動かしている。
 
 彼女は青虫を気遣っていた。
 
 正直、僕には青虫なんてどうでもよかった。いや、この青虫は死ぬ、それがわかっていた。
 それでもその場を立ち去れなかったのは、彼女が本当に青虫のことを心配し、助けたいと思っているのが感じ取れたからだった。
 普通の女の子ならば虫を嫌うだろう。たとえ虫が死んでも哀しみはしないだろう。
 でも彼女は虫さえも気遣う優しい子だった。

 彼女はクスリで治らないか僕に尋ねてきた。
 僕は青虫を助けれるとは考えていなかったが、彼女と一緒にどうやったらこの青虫を助けれるか考えてあげた。
 そうしなければ、彼女に対して失礼だと思ったからだ。

 結局その青虫がどうなったか覚えていない。
 たぶん死んだのだろう。でももしかしたら、助かって蝶になったかもしれない。

 小学校高学年の頃に僕が転校してから、彼女とは会っていない。
 卒業アルバムも持っていないため彼女の名前どころか顔すらも思い出せない。
 でも時々思い出す。
 あの子は一体どんな人になったのだろうか、と。

 
 
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