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あるるかんの不定期日記

since 08.5.16 近況とか読書感想とか徒然なるままに

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視点の問題

2008.08.23 (Sat) Category : 日々徒然

 小説を書くとき、大きく分けて二つの書き方がある。
 一人称と三人称である。
 まあ、例外として二人称の小説もあるにはある、らしい。(お目にかかったことはないが。実はショートショートで一度書いたことがある)
 
 まず三人称。
 小説として一般的な書き方であり、その一方で物書きでない限りあまり使わない書き方ではある。
 普段我々が書く文章、それは往々にして自分主観の”一人称”であり、三人称で書くことはまずない。
 三人称とは第三者の視点であり、小説世界においていえば”語り部”の視点、”神”の視点と言ってもさしつかえない。この第三者は小説世界に介入できないことが常で、ストーリーにはなんの影も落とさない。
 しかしその一方で、小説世界に影響を及ぼす”第三者”、もしくは小説世界の人間から関知されている”第三者”というものもあるにはある。これはメタフィクションの分類にあたり、ここでの話には関係ないので割愛する。

 三人称を書く上で必要な事、それは語り部は徹底的に第三者の立場から物語を描き、登場人物の思考は反映させないということである。
 小説によっては登場人物の内情を語り部があらわす趣向も存在するが、安易に用いると一人称とない交ぜになり文体の崩壊を引き起こしかねない。

 次に一人称。
 はっきり言って書くのは簡単だ。
 普段我々が用いている文体が一人称だからだ。
 手紙を書くとき、メールを打つとき、このようなブログに一文を載せるとき、すべては一人称であるといえる。
 だからこそ小説を書く上では注意が必要である。

 素人が書いても一人称ならそれほど失敗する事はない。

 つまりよほど書き方がうまくないとどれも同じに見えてしまう、ということでもある。
 西尾維新の「戯言シリーズ」然り、「涼宮ハルヒシリーズ」然り、どこかクセがあるならば印象を強くし、他の一人称の小説と一線を画する事ができる。

 ライトノベルにはやたらと一人称が多いが、もうひとつ一人称をある理由から多用するジャンルがある。
 そのジャンルとは、本格ミステリである。
 
 本格ミステリにつきものの、叙述トリック。
 これを成立させるためには一人称が必要不可欠なのだ。
 
 本格のマナーとして、三人称においてAをBと偽って記述する事はできない。
 しかし一人称の主人公の視点においてAをBと誤認しているのならば、AをBと表記する事が可能なのである。(例えているならば性別の誤認、人間の誤認などがある)

 そして視点の主を読者に誤認させることも可能である。
 ネタバレを含む可能性があるので深くは記述しないが、乙一の「GOTH」に入っている「犬」や、面白いところでは倖田來未の曲「Puppy」、中島みゆきの「空と君との間に」なんかもそうだろう。
 ・・・・・・全部犬じゃねぇかっていう突っ込みはなしね。
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