あるるかんの不定期日記
島根女子大生死体遺棄事件に関する考察 その22
2009.12.27 (Sun) | Category : 島根女子大生死体遺棄事件に関する考察
この度は”バラバラ”から犯人像に迫ってみる。
その前にテレビなどでも度々登場する元監察医上野正彦氏の著作「死体は知っている」を久しぶりに読み返したところ、今回の事件と良く似た描写のところがあったので書いておく。
P181 バラバラ殺人という項目のところだが、上野氏はここでバラバラ殺人は必ずしも猟奇的なものではなく、自己保身のため証拠隠滅のためにバラバラにすると言及している。
「証拠を隠すためと同時に、死体を運搬しやすいように分割する。分散遺棄すれば、被害者の身元はわかりにくくなる。被害者が分からなければ、殺した本人に捜査が及ばない。・・・さらに乳房や陰部まで切り取られていると、変質者の犯行かなどと書き立てられるから、誰しもそう思ってしまうが、性別まで分からなくしたほうが身元はわかりにくくなる」 -本文より引用
私もまったく同意見だ。
バラバラ殺人となるとメディアはこぞって猟奇的だ、変質者だ、などと報道するが、安易すぎやしないか。
ましてや信憑性の低い「食べられたあとがあった」などと騒ぎ、カニバリズムを持ち出して、挙句の果てには”ハンニバル・レクター”まで持ち出した。
一体どこが今回の事件にそっくりか?
もし仮に食べられたあとがあったなら、それは動物の可能性を考えるべきではないか?なにせ10日ほども山中にあったのだから。
メディアはセンセーショナルにすれば視聴率が取れるし新聞も売れる。
でも真実をぼかして何が報道か。
・・・話が逸れたので軌道修正する。
はっきり言って私は最初から猟奇殺人犯という可能性はあまり考慮していない。
まず遺棄の仕方が地味すぎるし、警察に対する挑戦的なところも感じない。
しかしながら、埋めずに山中に捨てるという遺棄の詰めの甘さがひっかかる。
それにバラバラにしたところでDNA鑑定ですぐに身元はわかる。これは上野氏の本の中でも書かれていたことだ。
指紋を削ろうが、顔を潰そうが、焼こうが、DNA鑑定すれば一発だ。
そこで記事を読み返していたところ、あることに気付いた。
まず死体が遺棄されたであろう日付は警察の発表では10月26~31日。
その一方、被害者が失踪して公開捜査され、報道されたのが11月2日。
もしかしたら犯人はこんなに早く遺体が見つかったのは誤算だったのではないか?
被害者の頭部が発見されるまでは女子大生の失踪事件にすぎず、発見以前の記事を見ると殺人事件に巻き込まれたという可能性なんて微塵も感じさせていない。
11月4日の記事に至っては被害者がバイトを辞める予定だったという事に触れ、自発的な失踪という可能性すら匂わせている。
もし頭部が見つからなければ失踪事件として数ヶ月もしないうちに風化していたかもしれない。
その上、被害者が住む島根ではなく、広島県の臥龍山に遺棄された。つまり県警も違う。
頭部が発見されたのがもっと後だったら、失踪事件と結び付けられなかったのではないか?
DNA鑑定をすれば身元は割れる。
でもそれは被害者の目星が付いていればの話だ。
もしバラバラ遺体と被害者が結び付けられなかったなら、国内では年間10万人の失踪者が出ている現状において、その10万の中に埋没した可能性だってある。
こうなると話は簡単になる。
”バラバラ”にしたのは犯行の隠匿のため。
胸などを切除したのは性別を確認し辛くし、身元特定を困難にするため。
(実際のところ骨盤の形や、DNAからも性別は分かる)
犯人の誤算。
想像以上にはやく失踪届けが出され、警察が捜査を開始したこと。
そして山中に捨てた遺体が想像以上に早く見つかったこと。
靴を遺棄したときと同様に、犯人は考えの甘いところがあるらしい。
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