あるるかんの不定期日記
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近況とか読書感想とか徒然なるままに
「泣く少年の絵」が招く火災の謎
2011.08.11 (Thu) | Category : 日々徒然
先日、某TV番組で取り上げられていた火災を招く「泣く少年」の絵画。
ちょっと興味を持ったので調べてみました。
1985年、英国の全焼した一件の家で泣いている少年を描いた絵画が無傷で見つかった。
以来、その少年の絵が火災現場から燃えずに残って見つかるということが相次いだ。
問題の絵の作者はブルーノ・アマディオ。J・ブラゴリン、セヴィルといった名前でも活動していた。
生前27枚の絵を残し、ヨーロッパを中心に人気を博し、英国だけでも約5万枚の「泣く少年」の絵が売られているそうだ。
モデルの少年は火事で両親を亡くした孤児で、彼を画家がアトリエに招いて絵を描いたそうだ。
だが画家のアトリエで火事があって画家は死に、モデルの少年は姿を消す。
その10年後、バルセロナで起きた交通事故により車が炎上しドライバーは死亡、免許証からそのドライバーがモデルの少年であったことが判明した。
この絵の背景がいかにも“何かありそう”である。
火事で両親を亡くし、絵を描いた画家も火事で死に、少年自身も事故で車が炎上している。
なかには少年は念動力で火をつけることができる「ファイアスターター」だという噂まである。
「火災を呼ぶ絵」という都市伝説を作り上げるには十分ではなかろうか。
でもひとつ明白にしておきたいのは、モデルの少年の死亡要因は火災ではなく、交通事故だということだ。
ここであえて、車が炎上という要素を盛り込んでいるところに新聞記事の意図を感じなくもない。
そもそもこの“泣く少年の絵”を記事にしたsun誌をどこまで信用できるか、である。
どうやらこのsun誌はタブロイド誌で、ゴシップを多く扱っているようである。
さらにウィキペディアで“タブロイド”を調べると、
『英国では「タブロイド」といえば「ゴシップ報道ばかりで信頼性には疑問のある新聞」という連想があり、一つの例として、英国の代表的なタブロイド紙「ザ・サン」が、「日本で何千人もの人々が、プードルと偽って毛を刈りこんだヒツジを買わされていた」、と報じたことがある(2007年4月26日)。』
と書かれているくらいである。
本当に信用に値する記事なのか?
記事を面白くするために後付けで色々脚色されたり、誇張されている可能性は十分にあるだろう。
まあ、sun誌の意図や周囲の人間の思惑はともかく、火災現場で絵が焼け残っているのは事実だと思うので、それらについて検証してみたい。
まず火事になった人間が問題の絵を所有している確率を計算してみた。
イギリスの世帯数は06年度で2490万件。火災件数は95年度で60万件である。
イギリスの火災に遭う世帯の確率は年間約1/42ということになる。
絵はイギリス国内で5万枚売られているので、絵の所有する世帯の確率は約1/498となる。
そして双方が共になる確率は1/42×1/498なので、約1/20000となる。
(確率の計算なんて久しぶりなので間違っているかも……)
火事になった世帯が絵を所有している確率は2万分の1。
高い数字ではないが、低いわけでもない。
2万分の1とは、日本において谷井さんや、葉山さん、朝田さんに会える確率と同程度である。
しかもこれはあくまで1年間での確率である。
複製画が出回った1960年から問題の1985年までに25年という期間がある。
この25年の1年ごとに2万分の1が適用されるのでこの25年間の確率は25/20000となり、約1/800まで絵を所有している人間が火事に遭う確率は上昇する。
これはかなり高い数字だろう。
日本の1世帯が火災に遭う年間の確率は1/817であった。
絵を持つ人が25年間での割合であるとはいえ、同等程度の確率で火災に遭う可能性があるのである。
火災現場に “泣く少年の絵”があったとしても、格段おかしい話ではないのではないか。
では火事で絵が焼き残るのはどうか?
そもそも火災には家の全焼から、ボヤ騒ぎ程度のものまで幅広くある。
だが火災というひとくくりの中では両者の判別は不可能だ。
絵を持つ人が火災に遭った場合、3つのパターンが考えられる。
まず1と2は絵が焼けてしまっているので問題にはならない。
3は程度にもよるが、とりたてて問題にはならないだろう。
さて、一番のレアケースである4だが、これだけが異質である。
これに直面したら誰もが異様に思うだろうし、訝しむだろう。
「これは絵の呪いだ」なんて考えを持ってしまうかもしれない。
だが考えてみれば、1から4のすべてが起こったとしても、問題になるのは4だけなのである。他は話題にならないから、その事象がおこったことも明らかにはならず、ただ4の異様性だけが際立つことになる。
「家が全焼したのに、絵だけが無事だった」と。
たとえそれが、偶然のなす業であったとしてもである。
もし「火災を招く呪いの絵画」なんて噂がたてば、やがて3のケースにも着目されるだろう。
そうなれば「ほら、やはりこの絵は呪われている」などと騒ぎ立てられる。
その火災がボヤ程度でもである。
つまりレアケースである4のパターンが1件でもあれば、この噂の火種は作れ、3のケースで更に拡大させることができるのである。
また火災で絵が燃え残る事は可能か。
実はその事に関して検証していたサイトがあった。
http://tokyo.txt-nifty.com/fukublog/2010/10/post-2523.html
そのサイトによると炎はまず絵を納める額の紐を最初に燃やし、絵にダメージを与える前に絵の前面を下にして床に落ちるため煙や火から守られやすいそうだ。
火は壁伝いに上へ延焼するから床にある絵は燃えにくいだろうし、額が難燃性の素材だったり、床が難燃性のもの(例えばタイルなど)ならば尚の事燃えにくいだろう。
これらのことを鑑みても、火災で絵が焼け残る事は十分にあり得ると言えるだろう。
冷静に考えてほしい。
火事は「泣く少年の絵」によって引き起こされたのか?
答えは「否」である。
日本国内における火災の原因はトップから放火・たばこ・コンロ・ストーブ・電気配線・火遊びetcであり、いずれも人為的ミス、もしくは人為的行動が要因になっている。
火災が起きた→火災現場に不自然に焼け残った絵がある→火災は絵の呪い・・・正直言ってふざけるなという話である。
火事が起きたのは人間の所為である。それ以上でも以下でもない。
絵に責任転嫁するなど、やつあたりもいいところである。
さて、これらのことを踏まえて尚、この一連の出来事が“泣く少年の絵”によって引き起こされたことと考えるか、人の想像力が作り出した与太話であると考えるかは、人それぞれである。
ちょっと興味を持ったので調べてみました。
1985年、英国の全焼した一件の家で泣いている少年を描いた絵画が無傷で見つかった。
以来、その少年の絵が火災現場から燃えずに残って見つかるということが相次いだ。
問題の絵の作者はブルーノ・アマディオ。J・ブラゴリン、セヴィルといった名前でも活動していた。
生前27枚の絵を残し、ヨーロッパを中心に人気を博し、英国だけでも約5万枚の「泣く少年」の絵が売られているそうだ。
モデルの少年は火事で両親を亡くした孤児で、彼を画家がアトリエに招いて絵を描いたそうだ。
だが画家のアトリエで火事があって画家は死に、モデルの少年は姿を消す。
その10年後、バルセロナで起きた交通事故により車が炎上しドライバーは死亡、免許証からそのドライバーがモデルの少年であったことが判明した。
この絵の背景がいかにも“何かありそう”である。
火事で両親を亡くし、絵を描いた画家も火事で死に、少年自身も事故で車が炎上している。
なかには少年は念動力で火をつけることができる「ファイアスターター」だという噂まである。
「火災を呼ぶ絵」という都市伝説を作り上げるには十分ではなかろうか。
でもひとつ明白にしておきたいのは、モデルの少年の死亡要因は火災ではなく、交通事故だということだ。
ここであえて、車が炎上という要素を盛り込んでいるところに新聞記事の意図を感じなくもない。
そもそもこの“泣く少年の絵”を記事にしたsun誌をどこまで信用できるか、である。
どうやらこのsun誌はタブロイド誌で、ゴシップを多く扱っているようである。
さらにウィキペディアで“タブロイド”を調べると、
『英国では「タブロイド」といえば「ゴシップ報道ばかりで信頼性には疑問のある新聞」という連想があり、一つの例として、英国の代表的なタブロイド紙「ザ・サン」が、「日本で何千人もの人々が、プードルと偽って毛を刈りこんだヒツジを買わされていた」、と報じたことがある(2007年4月26日)。』
と書かれているくらいである。
本当に信用に値する記事なのか?
記事を面白くするために後付けで色々脚色されたり、誇張されている可能性は十分にあるだろう。
まあ、sun誌の意図や周囲の人間の思惑はともかく、火災現場で絵が焼け残っているのは事実だと思うので、それらについて検証してみたい。
まず火事になった人間が問題の絵を所有している確率を計算してみた。
イギリスの世帯数は06年度で2490万件。火災件数は95年度で60万件である。
イギリスの火災に遭う世帯の確率は年間約1/42ということになる。
絵はイギリス国内で5万枚売られているので、絵の所有する世帯の確率は約1/498となる。
そして双方が共になる確率は1/42×1/498なので、約1/20000となる。
(確率の計算なんて久しぶりなので間違っているかも……)
火事になった世帯が絵を所有している確率は2万分の1。
高い数字ではないが、低いわけでもない。
2万分の1とは、日本において谷井さんや、葉山さん、朝田さんに会える確率と同程度である。
しかもこれはあくまで1年間での確率である。
複製画が出回った1960年から問題の1985年までに25年という期間がある。
この25年の1年ごとに2万分の1が適用されるのでこの25年間の確率は25/20000となり、約1/800まで絵を所有している人間が火事に遭う確率は上昇する。
これはかなり高い数字だろう。
日本の1世帯が火災に遭う年間の確率は1/817であった。
絵を持つ人が25年間での割合であるとはいえ、同等程度の確率で火災に遭う可能性があるのである。
火災現場に “泣く少年の絵”があったとしても、格段おかしい話ではないのではないか。
では火事で絵が焼き残るのはどうか?
そもそも火災には家の全焼から、ボヤ騒ぎ程度のものまで幅広くある。
だが火災というひとくくりの中では両者の判別は不可能だ。
絵を持つ人が火災に遭った場合、3つのパターンが考えられる。
1.絵も家も全焼
2.家のすべては焼けず、絵は燃えた
3.家のすべては焼けず、絵も無事
4.家はすべて燃えたが、絵は無事
まず1と2は絵が焼けてしまっているので問題にはならない。
3は程度にもよるが、とりたてて問題にはならないだろう。
さて、一番のレアケースである4だが、これだけが異質である。
これに直面したら誰もが異様に思うだろうし、訝しむだろう。
「これは絵の呪いだ」なんて考えを持ってしまうかもしれない。
だが考えてみれば、1から4のすべてが起こったとしても、問題になるのは4だけなのである。他は話題にならないから、その事象がおこったことも明らかにはならず、ただ4の異様性だけが際立つことになる。
「家が全焼したのに、絵だけが無事だった」と。
たとえそれが、偶然のなす業であったとしてもである。
もし「火災を招く呪いの絵画」なんて噂がたてば、やがて3のケースにも着目されるだろう。
そうなれば「ほら、やはりこの絵は呪われている」などと騒ぎ立てられる。
その火災がボヤ程度でもである。
つまりレアケースである4のパターンが1件でもあれば、この噂の火種は作れ、3のケースで更に拡大させることができるのである。
また火災で絵が燃え残る事は可能か。
実はその事に関して検証していたサイトがあった。
http://tokyo.txt-nifty.com/fukublog/2010/10/post-2523.html
そのサイトによると炎はまず絵を納める額の紐を最初に燃やし、絵にダメージを与える前に絵の前面を下にして床に落ちるため煙や火から守られやすいそうだ。
火は壁伝いに上へ延焼するから床にある絵は燃えにくいだろうし、額が難燃性の素材だったり、床が難燃性のもの(例えばタイルなど)ならば尚の事燃えにくいだろう。
これらのことを鑑みても、火災で絵が焼け残る事は十分にあり得ると言えるだろう。
冷静に考えてほしい。
火事は「泣く少年の絵」によって引き起こされたのか?
答えは「否」である。
日本国内における火災の原因はトップから放火・たばこ・コンロ・ストーブ・電気配線・火遊びetcであり、いずれも人為的ミス、もしくは人為的行動が要因になっている。
火災が起きた→火災現場に不自然に焼け残った絵がある→火災は絵の呪い・・・正直言ってふざけるなという話である。
火事が起きたのは人間の所為である。それ以上でも以下でもない。
絵に責任転嫁するなど、やつあたりもいいところである。
さて、これらのことを踏まえて尚、この一連の出来事が“泣く少年の絵”によって引き起こされたことと考えるか、人の想像力が作り出した与太話であると考えるかは、人それぞれである。
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